本年度は昨年の研究成果を基に次の研究課題を行った。 1、既開発の超並列数式処理系の評価と処理速度の改善 昨年度に開発した、超並列数式処理系の機能を100例以上の実問題に適用して機能及び処理速度の評価を行った。機能はおおむね満足のいくものであったが、処理速度には多くの問題点があることが判明した。そこでその原因を調査したところ、1) PE間通信に時間がかかりすぎる、2)並列プログラムの実行効率が悪い、の2つの要因があることが分かった。そこで1)に対する対策として、新しいアルゴリズムの採用とシャフルエクスチェンジ結合を利用したPE間通信を用いることにより処理速度の改善を図り、実装した。2)に対しては超並列プログラム作法を開発しこれも実装してその有効性を確認した。 2、n-Dシステムの最適制御理論の研究 昨年度はPractical安定性と安定化補償器の設計理論を構築し、それを繰り返し制御系の設計に応用できることを検証した。しかしn-Dシステム理論をそのまま繰り返し制御系の設計に応用すると入力が必要以上に大きくなる問題があることが分かった。そこで本年は、この問題に対処するために、n-Dシステムの2次形式評価関数を最小にする、最適制御理論の研究を行った。2-Dシステムの最適制御問題は状態空間を集約する事により1-D最適制御理論に宿約出来ることを明らかにした。 なを1、2の結果を3つの国際学会誌および国内学会誌誌、に発表するとともに、3つの国際学会で発表した。
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