動的システムの入力と出力のデータの高次統計量を用いてシステムモデリングを行なう方法を確立した。さらに、確立した方法をコンピュータでディジタルシミュレーションしてその有効性を調査した。得られた諸結果は電子情報通信学会英文論文誌(基礎)の今年5月号(信号処理特集号)に発表する予定である。 上記の研究ではシステムモデリングのために入力データを用いたが、入力信号が計測できなくて出力データの統計量だけからシステムモデリングすることが現在重要な課題となっている。この課題を解決することは、幾つかの互いに独立な信号がある未知伝送媒体に入力され、その出力信号のみから伝送媒体の特性を推定して元の独立な信号を分離して復元する問題を解決することにつながる。この種の問題について、元のシステムが静的なシステムの場合にはすでに解決してその結果は論文として出版した。 しかし、元のシステムが動的なシステムの場合には、現在も研究中であるが、それについて基礎的な幾つかの成果も得たので、今年6月英国で開催されるIEEEの回路とシステムシンポジウム(ISCAS)で発表する予定である。
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