動的システムのモデリングについて、システムの入力信号と出力信号が共に観測できる場合について、それらの4次の統計量(キュムラント)を用いた新しい方法を考案し英国の学会誌(Internal Jorrnal of Control)で公表した。システムの入力信号が観測できづ、出力信号のみが観測できる場合のモデリングをブラインドモデリングと言う。入力信号が白色信号となる場合、出力信号の3次または4次のキュムラントを用いたシステムのブラインドモデリンの新しい方法も考案し電子情報通信学会英文誌で公表した。また、入力信号が有色信号となる場合、出力信号の3次または4次のキュムラントからは元のシステムが唯一に確定せず、元のシステムに統計的に出力等価となるシステムのクラスを明白にし、その結果を米国電気電子学会(IEEE)の回路とシステムに関する国際会議で報告した、元のシステムの逆システムの特性を推定して、推定した逆システムを元のシステムに従続接続して、入力信号を再生することをブラインド等化またはブラインド復元と言う。信号のブラインド復元についての成果をシステム制御情報学会誌の昨年の8月号で公表した。今年6月スペインで開催される高次統計量に関する信号処理国際会議で多チャンネルのブラインド等化について新しい方法を報告する予定である。以上、当初に計画した研究目的、研究実施計画に対して相当な程度まで達成された。 なお、当初の研究計画にはなかったが、時間的に少し変化するシステムをモデリングするためには適応システムモデリングの手法を開発する必要があることを研究遂行中にきずいた。これはシステムのモデリングの重要な方向なので、つぎの研究課題にしたい。
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