研究課題/領域番号 |
05650407
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
査 紅彬 九州大学, 工学部, 助教授 (80225680)
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研究分担者 |
岡田 伸廣 九州大学, 工学部, 助手 (80224020)
長田 正 九州大学, 工学部, 教授 (20136542)
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キーワード | ロボットビジョンシステム / モデルに基づく認識 / 環境モデルの自動獲得 / ニューラルネットワーク / 協調ネットワークによる学習 |
研究概要 |
本研究の研究実施計画を示してある三つの基本構成要素に応じて研究を進めた結果、次のような成果が得られた。 1.モデルデータベースの構造決定 対象となる物体や障害物などの幾何学的な特性を調べた上、対象物体の表面における曲面パッチを基本要素とした階層的物体表現法を確立した。また、この表現法に基づいたグラフ型三次元物体記述法を開発し、その利用により三次元曲面物体認識における照合過程はかなり効率化されることを実験の結果によって確認した。 2.モデル特徴の抽出とモデル学習ネットワークの構築 学習データ(主に、対象物の濃淡画像と距離画像)から物体表面における幾何学的特性を表すモデル特徴を抽出するアルゴリズムを開発し、実画像を用いた実験結果によってその有効性を確かめた。モデルの自動獲得の中心的役割を果たすモデル学習に関しては、ニューラルネットワークにおける誤差逆伝播法を利用した学習ネットワークと、関数近似の原理に基づいたGRBFネットワークとを構築し、三次元物体モデルの学習におけるそれらの利用可能性を解析やシミュレーション実験などによって明らかにした。 3.モデルに基づく仮説生成・仮説検証法の確立 物体の認識過程における信頼性と高速性を促進するためのモデル特徴の特異性を定量的に評価する方法を考案し、それを実行する学習アルゴリズムを開発した。また、モデル特徴とセンサデータとの照合過程を部分並列的に行うことのできるホップフィールド型ネットワークを用いた認識アルゴリズムを設計し、現時点では、それに基づいた認識システムの実現に取り組んでいる。その他、複数のカメラからなる分散協調型ビジョンシステムにおける照合過程についても検討を行い、カメラ間の通信による効率的な照合過程を実現した。
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