研究概要 |
1.理論的解析:連続時間システムに対する代数方程式、FP+PF^T-PRP+Q=0ただしR=R^T,Q=Q^T【greater than or equal】0,について理論解析と数値実験を行なった。H_∞制御では一般にR=H^T_1H_1-γ^<-2>H^T_2H_2の形式をとり、γ→∞の極限ではR【greater than or equal】0となって従来のLQG問題の場合に帰着する。逆にγ→0、すなわちR【less than or equal】0の場合について詳細な理論解析を行なった。すなわち、可安定解や反可安定解、その他の解の存在条件が必要十分条件として得られ,全体の解のラティス構造などを明らかにした。一部の結果は離散時間システムの場合の代数方程式、および連続時間周期係数システムの場合の微分方程式に対して拡張した。 一般のR行列に対して、可安定な半正定および正定解の存在のための必要条件を導びいた。この条件は、R【greater than or equal】0およびR【less than or equal】0の場合に適用すると、いずれも必要十分条件に一致した。しかし十分性の証明は今後の課題である。以上の研究において、固有値分解法やニュートン法による解の数値計算アルゴリズム、および解の存在条件に現れるH_∞ノルムを計算する方法をソフトウエア化し、数値実験に 2.成果の集大成:マトリクス・リッカチ方程式に関する研究成果を集大成し、単行本として出版すべく原稿の作成を行なった。内容的には、すでに結果の確立しているLQG制御問題における式、および連続時間システムの場合を中心に基礎から応用まで記述した。H_∞制御問題、および離散時間システムの場合については、一部章を追加する。読者にはシステム制御分野の研究者や学生、および制御技術者を想定している。出版社については、システム制御情報学会のシステム情報ライブラリーの一環として、朝倉書店から出版の予定になっている。
|