研究概要 |
非線形連続システムを線形近似システムと非線形誤差システムに分離し、線形近似システムは最小2乗法によりパラメータを推定し、非線形誤差システムはニューラルネットワークを用いて学習する方法を提案した。この方法によれば近似的な線形システムは直ちに得られるので、精度をあげるための非線形部分はニューラルネットワークで時間をかけて求めればよく、実用的にも有効な方法である。ニューラルネットワークの教師信号としてシステムの観測出力をフィルタした信号を用いる方式とモデルの出力を用いるかわりに入力の数を増加する方式とを比較検討したところ、観測雑音のレベルが高いときは後者の方が有効であることが確認できた。また、ニューラルネットワークのバックプロパーゲイションアルゴリズムの改良を行った。その方法として、非常に変化の激しい重み係数は省き、ゆっくり収束していくものは固定して、計算量の軽減をはかった。それは重み係数の変化の上,下限を決め、上限を越えたものは省略し、下限以下のものは固定する方法をとる。このようにして、従来のものよりも精度の犠牲なしにシミュレーションでは1/4以下に時間が短縮できた。これらの結果は電気学会論文誌c5月号に発表予定である。
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