上記研究課題について、最終年度はつぎの結果を得た。 [1]分布定数系の適応制御とロバスト制御 (a)拡散系に対して、有限次元オブザーバを用いた実現可能なモデル規範型適応制御系の設計法を提案した。提案手法はスピルオーバを考慮したもので終局的漸近安定性が満たされることを示した。 (b)可動端をもつフレキシブルビームの振動制御問題を取り扱い、制御システムとしての数学モデルを導出し、有限次元モデルに対してH無限大制御系設計の指針を示し、さらにLQG/LTR制御との比較検討を行った。 [2]非線形システムのEMM制御とロバスト制御 (a)非線形メカニカルシステムの例として倒立振子系を取り上げ、非線形系イグザクト・モデル・マッチング(EMM)制御の新方式を提案し、台車のモデル追従性を示した。 (b)ファジィスライディングモード制御の新方式を提案し、安定条件を明らかにした。 [3]連続時間および離散時間システムの同定法 (a)極値探索併用ガウス・ニュートン型の同定法(DS法)の応用(ロータリ耕耘刃の耕耘トルク特性)について検討した。 (b)線形積分フィルタ法(LIF法)とDS法を倒立振子のメカニカル系の物理パラメータの推定問題に適用し、比較検討した。 (c)マルチプル・フォゲッティング法によるエッジ適応同定およびカルマンフィルタ型の画像修復アルゴリズムを、実画像処理に適用し、その有効性を確かめるとともに、その監視システムへの応用について検討した。
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