研究概要 |
最尤推定法で,放物型システムの未知パラメータ(特に本研究では未知関数)を同定する場合の,最尤推定値の存在と一致性は,すでに一部その成果を、SIAM(米国応用数学会)J.Cont.Optoim.,vol.26,vol.30,1988,1992に発表しており,平成5年度はそのシステムの双曲型システムへの拡張と,同定アルゴリズムおよびそのコンピュータプログラムの作成に重点を置いて研究をおこなった。 双曲型システムに含まれる未知パラメータの最適同定のための必要条件を導出し、さらにパラメータ推定値が真の値と一致するかどうかを検証した。さらにこの推定値をもとにして、制御方策の構成方法を考案した。 平成5年度は導出したアルゴリズムの妥当性を,数値実験の面からも検証し、その一部を7月オーストラリア国シドニー市で開催されたIFAC世界大会で発表した。さらにパラメータ同定に関する結果の一部も11月に大阪で開催された"Stochastic System Theory Symposium"で、12月には神戸で開催された"Dynamical System Symposium"で境界値制御への拡張の可能性に関する発表を行なった。
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