研究課題/領域番号 |
05650424
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
上田 多門 北海道大学, 工学部, 助教授 (00151796)
|
研究分担者 |
古内 仁 北海道大学, 工学部, 助手 (60165462)
志村 和紀 北海道大学, 工学部, 助手 (60187474)
|
キーワード | コンクリート / 変形 / ひび割れ / マイクロメカニクス / 非接触型測定 / レーザースペックル法 / せん断 / 繰返し載荷 |
研究概要 |
せん断補強筋の剛性、引張補強筋の剛性、せん断スパン比を変数とした梁の実験を行い、梁の曲げ変形及びせん断変形をレーザースペックル法で測定した。せん断ひび割れの発生後、曲げ理論で求められる中立軸より実際の中立軸は上方に移動すること、せん断歪みがせん断ひび割れに沿って特に急増し、梁としてのせん断変形が急速に増加することなどが明らかとなった。曲げ変形量は、レーザースペックル法で測定されたコンクリートの主圧縮歪み方向を圧縮材料の方向としたトラス機構により生じるモーメントシフトを考慮すれば、せん断ひび割れ後も精度よく推定できることが明らかとなった。一方せん断変形量は、せん断ひび割れ発生荷重を上回る荷重分を前述のトラス機構が負担するとして計算されるトラス機構の斜材部の変形により推定できることが示された。なお、せん断補強筋と周囲のコンクリートの引張剛性によって形成される引張斜材の剛性は、コンクリートの引張剛性の減少により荷重の増加と共に徐々に減少すると仮定している。また、トラス機構の上弦材は中立軸より上の部分としている。トラス機構の上弦材の厚み、圧縮斜材の角度は、引張補強筋の剛性、せん断補強筋の剛性、せん断スパン比によって変化するものであり、鉄筋コンクリート梁の実験結果からそれらの定式化を行った。この式を適用することによって、補強筋を連続繊維補強材とした梁の変形も精度よく推定できることが明らかとなった。 モデル粗骨材を用いたプレーンコンクリートの繰返し載荷実験を行い、コンクリート全体の変形、骨材とモルタルとの界面でのひび割れ、モルタル中のひび割れをレーザースペックル法で観察した。まず骨材界面でひび割れが発生し、ずれを主体とした変形を生じ、その後骨材の角からモルタルひび割れが発生進展する。この現象は荷重の増加によっても、繰り返しによっても生じ、コンクリート全体の剛性を低減させる。骨材界面でのひび割れ発生の有無によって、コンクリート全体の剛性、強度が変化することを有限要素法でも示した。
|