研究課題/領域番号 |
05650432
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
六郷 恵哲 岐阜大学, 工学部, 教授 (40127155)
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研究分担者 |
栗原 哲彦 岐阜大学, 工学部, 助手 (50262746)
内田 裕市 岐阜大学, 工学部, 助教授 (20213449)
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キーワード | コンクリート / 寸法依存性 / 寸法効果 / 強度 / 変形 / フラクタル |
研究概要 |
コンクリート構造物や部材の耐力は、寸法が大きくなっても寸法に比例して増加するとは限らず、むしろ強度(単位面積当たりの力等、耐力を寸法で基準化した値)が低下する場合がある。本年度の研究では、各種コンクリートの曲げ破壊性状の寸法依存性、せん断補強筋のないRCはりのせん断強度の寸法依存性、ひび割れ性状の寸法依存性について検討した。 (1)各種コンクリートの曲げ破壊性状の寸法依存性 アラミド短繊維補強高強度モルタルやポーラスコンクリート等の特殊なコンクリートについて、荷重変位曲線で表される曲げ破壊性状の寸法依存性を実験的に明らかにするとともに、引張軟化曲線をもとにした寸法依存性についての検討が有効なことを示した。さらに、供試体の曲げ荷重変位曲線から引張軟化曲線を精度良く求める試験方法を確立した。 (2)せん断補強筋のないRCはりのせん断強度の寸法依存性 圧縮強度が300〜1300kgf/cm^2の範囲のコンクリートを用いたせん断補強筋のないRCはり部材のせん断強度について、実験ならびに数値解析を行った。超高強度コンクリートを用いた場合には、RCはりのせん断強度の寸法依存性が大きいことを明らかにした。 (3)ひび割れ性状の寸法依存性 はり高さが異なる無筋コンクリートはりが曲げを受ける場合の引張縁のひび割れ分布(ひずみ分布)性状を実験的に明らかにした。観測されるひび割れ分布性状がひずみゲージの大きさ(観測スケール)に大きく依存する現象を、フラクタル理論(複雑さを定量化する手法)によりうまく説明できることを示した。
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