研究課題/領域番号 |
05650447
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
野村 卓史 東京大学, 工学部, 助教授 (50126281)
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研究分担者 |
木村 吉郎 東京大学, 工学部, 専任講師 (50242003)
藤野 陽三 東京大学, 工学部, 教授 (20111560)
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キーワード | 数値流体解析 / 空力弾性問題 / 風工学 / ALE法 / Smagorinskyモデル / 渦励振 |
研究概要 |
1.流体-構造連成解析法の改良 本研究課題に着手するまでに、構造と流体との間の境界移動に伴って解析メッシュが変形するArbitrary Lagrangian-Eulerian(ALE)法に基づく有限要素流れ解析法を開発しているが、本研究ではこの解析法を風工学における空力弾性問題の対象となる高レイノルズ数流れに適用するために、乱流モデルとしてSmagorinskyの渦粘性モデルを導入した。このモデルを検証するための予備計算として、静止円柱まわりの流れの解析を実施し、亜臨界領域から超臨界領域に移る際に抗力係数が降下する現象を捉えるなど、流体力や渦放出周波数を妥当に評価できることを確認した。 2.解析法を検証するための実験 構成した流体-構造連成解析法を検証する目的で、円柱の渦励振の実験を実施した。本研究では、自由振動時の円柱の応答特性だけでなく、表面圧力分布の測定も行った。表面圧力分布については、強制振動実験については報告があるが、自由振動実験ではあまり例がない。 3.検証解析の実施 前項2.の自由振動実験を対象に、1.で構成した解析法による解析を行った。円柱の固有振動数は約10Hz、共振風速は約5m/sで、レイノルズ数は約40、000である。その結果、共振風速近くで円柱の応答振幅が増大し、それと同時に渦放出周波数が円柱の固有振動の数にロックするという、渦励振現象の特色を捉えられた。また、渦励振の発現風速、ロックイン風速域、応答振幅なども、実験結果と比較して良好な一致を見ることができた。また、表面圧力分布も良好に対応しており、本研究で構成した解析法が基本的に妥当なものであることを確認した。
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