1.駐停車交通に関する新しい調査分析手法として、(1)路上駐車台数把握のための連続調査法 (2)駐車目的地を簡便に補足するための目視調査法 (3)ミクロな施設計画のための挙動調査法 を提案し、その調査分析方法と施設計画・設計への適用方法を検討した結果、既存調査分析手法の問題点を改善し、施設計画・設計のために有効であることを確認できた。 2.提案した新しい調査分析手法を用いて、茨城県内の主要都市(日立、水戸、土浦、勝田、高萩等)を対象として、駐停車交通の現地観察調査、交通量観測調査、アンケート調査等実態調査を実施し、駐停車交通によって発生している問題点の抽出・整理および実態を分析することにより以下の知見を得た。 (1)主要都市の路線型商店街における路上駐停車は、目的地直近への買い物目的等の5分以内のものが7割程度を占めるため、大都市のようにこれを離れた路外駐車場へ誘導することは困難であり、路上駐停車施設の適正な配置が不可欠である。 (2)鉄道駅へのキス・アンド・ライドは日常的に行われているが、このためのスペースは駅広内に整備されていないことが多いのに対し、利用度の低いバス、タクシーのスペースがウェイトを占めている。スペースの利用効率を考えた駅広スペースの再配分と運用方法の見直しが必要である。 (3)沿道型大規模店舗への自動車の入出に際しては交通流の錯綜が多発しており、交通安全上きわめて危険である。これを考えた入出路および周辺道路の総合的な整備・運用が必要である。今後特に、地方都市特有の右折横断車両、Uターン交通に着目した分析が必要である。
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