研究概要 |
今年度は以下の項目について検討を行った。 (1)紫外線分解による有機塩素化合物からの無機塩素イオンの回収率 モデル化合物としてクロロベンゼン、クロロフェノール、ペンタクロロベンゼン、ペンタクロロフェノールを用い、紫外線分解条件を検討した。分解剤添加量0.5mL、分解剤濃度0.67%、紫外線照射時間12時間が適切な分解条件であることが分かった。また無機塩素イオンのピークの前に現れる妨害ピークを、試料前処理用カートリッジおよびODS用ガードカラムを用いることによって小さくすることができた。 (2)ガス中の有機塩素化合物の捕集方法 検討したサンプリング系は、フィルター(円筒ろ紙)→空ドレントラップ→ジエチレングリコール入りドレントラップ(2個)→活性炭チューブ(2個)で、ドレントラップは水溶した。ジエチレングリコールを吸収液、活性炭を吸着剤として選定したものであり、クロロベンゼンは活性炭に吸着し、これ以上の沸点の有機塩素化合物はジエチレングリコールにより大部分が捕集できる。このサンプリング系の有効性について回収率実験により確認した。 (3)燃焼廃ガス中の有機塩素化合物の定量 模擬ごみを燃やして排出されるガスのサンプリングを行い、TOC1を測定した。全連式ストーカ炉の清掃工場と比較すると、今回測定したTOC1はおよそ1,500〜3,500倍と非常に高かった。理由として、模擬ごみ中の塩素量が多い(PVCが多く含まれている)ことが原因と考えられた。
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