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まず研究の初めとして、建物に作用する荷重・建物の応答などを考慮して、地震時に基礎杭に作用する繰り返し鉛直荷重の工学的性質を研究代表者、研究分担者全員で評価した。次に、これに基づいて模型実験および数値解析の条件を決定し、模型砂土槽と模型杭(4成分コーン)を用いた模型実験を行った。今年度は初年度ということで、まず、密度の高い砂地盤を想定して実験を行った。この実験に際し、主要設備として、繰り返し荷重下の杭の挙動を連続的にとらえる目的で、ディジタルデータレコーダを購入し、実験に用いている。なお、既存の施設では模型杭の微小な引き抜きの制御に対応していなかったため、これに対応できるような治具を工夫して作成し、これを解決した。また、引き抜き時の微小な変位も測定できるように、2種類の変位測定器の解像度に応じた使用とその取り付け方を考案して、実験を行っている。
これまでに行った実験結果から、繰り返し鉛直荷重を受ける杭の周面摩擦抵抗は、繰り返しの回数と何らかの関係があると考えられることが明らかになっている。
年度終盤で当初の研究代表者が急逝するという不測の事態に直面したが、研究に関しては、当初の研究計画にのっとって、実験を予定通り行うことができた。次年度も引き続き模型砂地盤を用いた実験を行い、データ収集に努め、併せて種々の地盤条件を想定した解析を行って、地震時の杭の周面摩擦抵抗力の把握を試みたい。
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