1. 戦後建てられた公共図書館(現存館)全館について、開館年別の面積規模等を統計的にまとめ、これまでの施設規模の拡大傾向や全般的なサービス実績等の発展過程の概要を示した。 2. 公共図書館の発展過程の各時期でプロトタイプとなったと考えられる典型的な図書館を選び、平面構成のモデル化を試みるとともに、部門別の面積構成、カウンターの種類と配置など、平面構成上の計画要素の扱いからみた変遷過程を概観した。 3. 立地条件が異なり、サービス水準が比較的高く、本館施設を更新し、現時点では施設計画としても先進的な実例と考えられる図書館として、品川区立図書館(全10館のうち全館調査、分析対象としたのは4館)、市川市立図書館(全5館)、碧南市立図書館(全2館)の3図書館(計17館、うち分析対象としたのは11館)を対象として来館者調査を行ない、図書館の来館利用の実態を明らかにした。これらの結果から、公共図書館の施設計画で現在の先進的実例とみなし得る図書館での館内行動の実態を知ることができ、計画に参考となるデータを得た。それらは公共図書館の規模計画、平面計画に資するものである。 4. このうち品川区立図書館と市川市立図書館については、それぞれ本館が新築更新された前後(1993年・1995年)での来館者調査を実施し、これによって、本館の更新前後の比較を行い、新しい本館での利用がどのように変化し、どの程度利用を促進し、効果があったか、また使われ方の変化の有無などを明らかにした。
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