リゾートマンション開発が地域に及ぼした影響を明かにすることは、地域・都市計画上のみならず地域開発の視点からみても重要である。平成5年度の研究計画では、各市町村への影響のうち地方行財政に与えた影響についての調査研究を行うものである。 1.リゾートマンションが集中的に建てられた市町村での地方財政への影響を見ると、一般会計の歳入はマンション建設ブームと平行して急増している。湯沢町の場合を見ると、歳入のうち固定資産税は3割以上の比率があり、やはり急増している。固定資産税の急増の原因としては、マンション開発に伴う地価の上昇や課税対象となるマンションそのもの増加が考えられる。歳出については歳入の増加に応じて増加しているが、内訳を見ると土木費や衛生費が増加している。特に徴税費の急増は目につく。対象市町村について数量的抑えることができた。特別会計に属する問題として上水道供給問題があるが、ある市町村では上水の計画供給量を超えたり、将来計画の変更が必要になったりしており、財政的影響を与えたことが明かになった。 2.リゾートマンションの集中立地により、市町村は開発指導要綱に基づく開発手続きに追われたことがデータで明かにできた。ブーム期では実際に建設されて目に見えるようになったもの以上に、マンション計画が受理されたり、協議中であったりしていた。行政の対応としてはっきりした形をとったのは開発指導要綱である。改正の時点やその内容を明かにできた。開発の一時凍結をした市町村のついてはその理由を明らかにした。 3.各市町村の都市施設の容量とその需要についても経年的分析した。開発指導要綱については制定前と制定後についてマンション開発の比較を行った。緑地率、開発率、駐車台数など数量的に定めてあるものについては、はっきりと効果が現れている。マンションの販売戸数に影響を与える建物高さについてはかなり指導が大変であったようだ。 4.都市施設容量・整備費、行政歳入・歳出、開発指導要綱を含めた都市計画制度、行政事務などを考慮した地域開発が必要である。
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