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1994 年度 実績報告書

ファサードの実験心理学的手法による解析

研究課題

研究課題/領域番号 05650589
研究機関東京電機大学

研究代表者

船越 徹  東京電機大学, 工学部, 教授 (20057186)

研究分担者 積田 洋  東京電機大学, 工学部, 講師 (60120119)
キーワードファサード / 心理因子軸 / 心理量 / 構成要素 / 物理量 / 単相関分析 / 相関関係
研究概要

ファサードのもつ心理的影響を構造的に明らかにするため、21の典型的なタイプのサンプルを選び、写真と実物での評価の差異を検討した後、57のバイポーラーとなる形容詞句対による7段階評定実験を被験者35名により「写真」を用いて行った。このデータを基に相関係数を求め因子分析の結果、多様性因子(複雑な感じ-単純な感じ)、重厚性因子(堂々とした感じ-きゃしゃな感じ)、明るさ因子(明るい感じ-暗い感じ)、など10の心理因子軸を抽出し、それぞれの心理量を明らかにした。
一方で、ファサードの物理的構成について、これを記述する方法の検討を行った。ファサードの形態的特徴を数量的に表現する物理量として、ファサードの輪郭など全体を表すものと、ファサードの各要素を表すものに分け、さらに数量データとして表すことのできない様式や引用、記号的意味を持ったエレメントなどに分解して検討し、物理量を決定した。
その結果、ファサードの面積、周長、高さ、幅、壁面を構成する面の数、角の数、窓の面積や個数、装飾、相似形、対称性、様式、引用などの物理量をファサードを表現する基本的要素として選び、それぞれの量を算出した。
さらに、心理量分析で得られた心理量と物理量分析で得られた物理量との相関関係を単相関分析、重回帰分析などの数理的方法を用いてこれらの相関を明らかにした。例えば、複雑な感じ-単純な感じに代表される多様性因子は、ファサード全面の角や面、さらに装飾の数が増すほど多様性が増すことが分かった。また、親しみのある感じ-よそよそしい感じに代表される親しみ因子と周長面積比の関係では、これが大きくなるほど親しみ感が増すことが分かる。これは四角い建築より、複雑な形の建築の方が親しみやすいファサードであることを示している。
以上、ファサードの心理と物理的な構成との関係について様々な知見を得ることができた。

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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