研究課題/領域番号 |
05650591
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
山田 水城 法政大学, 工学部, 教授 (40061030)
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研究分担者 |
宮武 直樹 法政大学, 工学部, 講師 (40130752)
中澤 治重 法政大学, 工学部, 助手 (30120827)
古川 修文 法政大学, 工学部, 助手 (10120833)
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キーワード | 伝統的民家 / 中門造り民家 / 集落の滅失と再生 / ダム建設による水没集落 / 集落の集団移転 / 継承と変化 / 環境変化 / 山間の近代的集落 |
研究概要 |
旧集落は平成5年の早期で完全に消滅した。我々は平成3年から旧集落の実測調査を開始していたため、旧集落の形態と全家屋の形態と全家屋の詳細な記録をはじめ、旧集落・民家の温熱風環境についての計測も完了した。 平成5年度までに行った調査・研究は以下のとおりである。 (1)旧集落の形態、集落の道路の構成、池、水路、樹木などを調査し、図面を作成した。 (2)旧集落の全家屋についての平面図及び敷地周辺図を作成した。 (3)旧集落の伝統的家屋の室内温熱風環境及び新旧両集落の風柱状を継続計測した。 (4)旧集落の住習慣を調査し、また、旧集落及び家屋の発展過程を追求した。 (5)平成5年の時点での新集落の全家屋の間取りを採集し、旧家屋と比較、分析した。 (6)新集落が作られ、さらに改善されていく過程を3年間に渡って記録した。また、この間の人々の意識の変化や新集落・新家屋に対する満足度および不満足度を調査した。 (7)解体移築家屋の構造、構法、材料などについて実測調査し、図面を作成した。 (8)家屋の各部位の腐朽状態を調査し、腐朽度合いの計測方法を追求した。 得られた主な知見は以下のとおりである。【.encircled1.】旧集落の特徴の一つである水路と池は、融雪や防火用水の役割ばかりでなく温熱環境に良い影響を与えている。【.encircled2.】旧家屋の茅茸き屋根、火棚、厚い板戸、室内に置かれた様々な生活用品は温熱環境に対して有利に作用している。【.encircled3.】旧集落の民家は18世紀末以降のものである。【.encircled4.】新集落の道の構成や家屋の配置は旧集落の形態を継承した。【.encircled5.】新集落の家屋の外観は多種多様で伝統的中門造りの形態は全く消滅した。【.encircled6.】間取りは食違い四間取りを継承した家と全く新しい形態に変えた家があり、その中でも幾つかに分類が出来る。一般に日常生活の場の改善が著しい。
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