研究課題/領域番号 |
05650591
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
山田 水城 法政大学, 工学部, 教授 (40061030)
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研究分担者 |
宮武 直樹 法政大学, 工学部, 講師 (40130752)
中澤 治重 法政大学, 工学部, 助手 (30120827)
古川 修文 法政大学, 工学部, 助手 (10120833)
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キーワード | ダム建設 / 集落の滅失と再生 / 集落の集団移転 / 住環境の改善 / 伝統民家の構法 / 雪対策 / 外部空間構成 / 環境変化 |
研究概要 |
平成6年度に行った実測調査及び研究は以下のとおりである。 (1)新集落における全家屋の形態と間取り、池、水路、囲い、花壇など内部及び外部空間構成を調査し、旧集落と比較分析した。図面などは完成している。 (2)新家屋の屋根形態と積雪状況、除雪、融雪など冬の実生活を調査し、雪対策の観点から屋根形態や高床式の効果などを評価分析した。 (3)新家屋の室内温熱環境を実測し、旧家屋と比較して改善された部分と未改善の部分を明確にした。 (4)解体移築家屋を中心に、構法、仕口、継手等を調査し、地域的特徴を明らかにした。 得られた知見:集落が移転して2年経過した状態を調査したわけであるが、人々は移転前に持っていた不安が少しずつ解消され、それぞれ選択した家屋の形態や間取りに対して、大部分の人は満足している。それは現代の技術を駆使した利便性が入ってきたからである。改善されたものは多く、特に間取りは台所や風呂場などが改善され、温熱居住環境や水周りを中心とした利便性は旧家屋と比較にならない程である。屋根は自然落雪型を採用し、敷地を舗装して屋根から落ちた雪を散水で融雪する方法も新たに生まれた。かつて積雪地域にはなかった複雑な屋根形態も多く現れて、建物の外観は現代風に変わった。高床にしたことで雪囲いが不要になり床下は車庫になった。人々は利便さと都会風を求めた集落造りに努めている。一方、一部には間取りに対する不満が現れたり、最新の暖房形式として選択したものが意外に不満であったりして、新たな問題が浮き彫りになりつつある。人々は実生活の必要性から新家屋に様々な物を付加し始めている。試行錯誤を繰り返しながら、新しい集落の形成に努めている過程が明確に見られる。
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