研究課題/領域番号 |
05650591
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
都市計画・建築計画
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
山田 水城 法政大学, 工学部, 教授 (40061030)
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研究分担者 |
中澤 治重 法政大学, 工学部, 助手 (30120827)
宮武 直樹 法政大学, 工学部, 講師 (40130752)
古川 修文 法政大学, 工学部, 助手 (10120833)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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キーワード | ダム建設 / 集落の滅失 / 集落の再生 / 集落の集団移転 / 空間構成 / 中門作り / 室谷集落 / 住環境の改善 |
研究概要 |
新潟県上川村室谷集落は、ダム建設のため全31戸が300m離れた高台に集団移転をした。1993年12月までにほぼ全戸が新集落に移転し、1年半の生活を送った。新旧両集落を比較して次のことがいえる。 (1)共通して言える事は、新しい家屋は総二階になり床面積は相当増加した。中門が消滅して中央の玄関に変わり、そこから奥へ廊下が作られた。この廊下によってハレとケの領域が明確に分割された。ハレの領域は伝統的食い違い四間取りが踏襲されたが、その部分も横に延びる廊下で表座と裏座に分割されている。ケの部分では水場が一箇所に集まり、居間がヨリツキとして玄関脇に移動し、かつて無かった押入が出現し、便所も水洗となり、設備や居住環境が大きく改善された。 (2)新集落の各家の敷地面積は、旧集落と同程度であり、その中で屋は敷地の西側でいっぱいに、旧集落と同じように東向きに置き、東を前庭にして付属屋を建てている。各家の外観は多種多様であるが、総じて寒冷地に適合する立方体型になった。東、西、北の壁面は窓が増えたが、南面は逆に減少している。南面を押し入れにした家が多いからである。屋根の形態は雪止めの無いコロニアルタイプが最も多いが、瓦葺きも二件あり、新たに暖房融雪型が二件出現した。また、高床式が15軒ある。 (3)新集落において大きく変化したものとして次の事項が挙げられる。(1)敷地を舗装し、ホ-スで常時散水し、融雪している。(2)作業小屋を敷地内に取り込んで、かつての土間と同じ目的で使用している。(3)敷地の一部を囲ったりして敷地環境が明確になった。(4)花壇、庭が作られ、鑑賞用の樹木が植えられた。このように、集落は利便さといわゆる都会風を求めた方向に向かっている。自然落雪型の屋根によって、屋根に雪はなく、かつての雪国の景観は変わった。生活の必要性から、母屋に下屋を出窓を付け加え始めた。この新生活に人々は大いに満足している。
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