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1993 年度 実績報告書

古代ギリシア建築のリファインメントの技法とその効果に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 05650602
研究機関熊本大学

研究代表者

伊藤 重剛  熊本大学, 工学部, 助教授 (50159878)

キーワード古代ギリシア / 神殿 / リファインメント / 視覚効果 / 感性評価
研究概要

本研究は古代ギリシアの神殿が、見る人にどのような印象を与えるのか、とくに円柱の形状が建築全体の評価にどのような影響を与えるのか、コンピユータグラフィクスを利用して心理実験をし、検証するという研究である。被験者には建築に関しては相当の知識のある専門家として、職業建築家10人熊本大学の建築学科計画系の大学院生10人の合計20人を依頼した。その結果、次のようなことが明らかになった。
1)円柱の形状のうち、「先細り」の効果は、全体的に大きな影響を与える。
2)「中央の膨らみ」が施されると全体に女性的という評価となる。
3)「フルーティング」は、洗練されたという印象を与える効果がある。
4)これらの組合せで、「先細り」「中央の膨らみ」「フルーティング」の三つの全てを備えている円柱を使ったモデルが、最も高い評価を受けた。
建築教育を受けたことのない「素人」を被験者とした昨年までの調査と比較すると、基本的な点では、神殿に対する印象評価について、「素人」も「玄人」もほとんど差異のないことが明らかになった。しかしながら、専門家は建築の知識があるので、詳細部まで注目し、また構造的な力の流れなどにも注目した上で評価を下すことが分かった。
世界的に評価の高いパルテノン神殿は、美しいとか素晴らしいとか、様々に表現されてきたが、本研究によって、なぜそのような高い評価が得られるのか、円柱の形状を通して明らかにすることができた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 伊藤重剛 他4名: "地中海古代都市の研究(71)パルテノン神殿の柱変化に伴い感性的評価(その3)" 日本建築学会九州支部研究報告. 第34号の3. 493-496 (1994)

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公開日: 1995-03-23   更新日: 2019-02-28  

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