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1993 年度 実績報告書

機能性結晶とアモルファスマトリックスからなる新しい複合材料の作製プロセス

研究課題

研究課題/領域番号 05650643
研究機関大阪府立大学

研究代表者

辰巳砂 昌弘  大阪府立大学, 工学部, 助教授 (50137238)

キーワード機能性結晶 / アモルファス / 複合材料 / マトリックス / ガラス / 微粒子 / 〓〓〓〓〓 / 〓〓〓〓〓
研究概要

本研究では、融液あるいは溶液から超急冷法、融液急冷法、ゾル-ゲル法などの種々の手法を用いて、高イオン伝導性、光応答性等を有する機能性結晶を析出させることによって新しい結晶-ガラスあるいは結晶-ゲル系の複合体を合成し、これらの特性評価を行うと同時に、結晶およびアモルファス界面を中心にその組織構造を明らかにする。また、微結晶が生成する際の核生成、成長のプロセスについても熱分析や分光学的手法を用いて直接検討を加える。本年度得られた成果を以下に示す。
1)超急冷法による微結晶分散ガラスの作製と特性評価
AgI過飽和の融液を双ローラーで超急冷することにより、AgI-Ag_2O-M_xO_y(M_xO_y=種々の酸化物)で表される様々な系で、alpha-AgIをガラスマトリック中に凍結できることがわかった。電子顕微鏡により結晶-アモルファス複合体の組織観察を行ったところ、粒径約30nmの alpha-AgIの微粒子がAgI-Ag_2O-M_xO_y系ガラス中に均一に分散した組織をもつことが明らかになった。
2)レドックス分子ドープゲルの作製と特性評価
ヘテロポリ酸やビオローゲン分子は光により容易に還元を受け着色するフォトクロミック物質である。このような物質をゾル中にドープしゲル化させるこによりフォトクロミック特性を示す有機-無機複合体を作製した。ドーパントの還元によって生じる着色種は、マトリックスのゲル化に伴い急激に安定化することがわかった。
3)alpha-AgI含有複合体の生成機構の検討
AgIを多量に含む融液を超急冷すると、alpha-AgIをガラスマトリックス中に凍結できる。ここでは、この種の複合体の生成過程を理解するために結晶化の速度論的検討を行った。その結果、alpha-AgIの核は、その数を増すことなく3次元的に成長する結晶成長機構を有し、活性化エネルギーは、通常の酸化物系のガラスよりも小さい値をとることがわかった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] M.Tatsumisago: "Formation of Frozen alpha-AgI in Twin-Roller Quenched AgI-Ag2 O-X_XO_Y(M_XO_Y=WO3,V_2O_5)Glasses at Ambient Temperture" J.Am.Ceram.Soc. 76. 235-237 (1993)

  • [文献書誌] M.Tatsumisago: "Preparation and Proton-Conduction of Silica Gels Containing Heteropoly Acids" Solid State Ionics. 59. 171-174 (1993)

  • [文献書誌] T.Saito: "Electrical Conductivities of the Superionic Composites Composed of Frozen alpha-AgI and AgI-Based Glasses" Solid State Ionics. 61. 285-291 (1993)

  • [文献書誌] M.Hanaya: "Low-Temperature Positional Ordering of Silver Ions in alpha-AgICrystallites Dispersed in Glass Matrix" Solid State Commun. 87. 585-588 (1993)

  • [文献書誌] M.Tatsumisago: "Superionic Conduction in Rapidly Quenched Li_2S-SiS_2-Li_3PO_4Glasses" J.Ceram.Soc.Jpn.101. 1315-1317 (1993)

  • [文献書誌] T.Minami: "Advaces in Fusion and Processing of Glass" American Caramic Society, 663 (1993)

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公開日: 1995-03-23   更新日: 2016-04-21  

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