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1993 年度 実績報告書

対話形式による集合組織予測システムの開発とその銅基形状記憶合金組織制御への応用

研究課題

研究課題/領域番号 05650703
研究機関横浜国立大学

研究代表者

関根 和喜  横浜国立大学, 工学部, 助教授 (40017934)

キーワードすべり変形 / 金属多結晶 / 集合組織 / 形状記憶合金 / 方位回転 / 結晶塑性
研究概要

本研究では、金属多結晶体のすべりによる拘束変形挙動を有限変形理論の立場から考察し、結晶体各点における方位回転を厳密に追跡し得る解析手法を提言する。さらに、提案された理論に基づき、任意の塑性加工と変態を受ける金属材料製品中に発達する集合組織を、定量的にかつ対話形式で予測・評価するためのコンピュータ・プログラムの開発を行う。そして、その結果を銅基形状記憶合金の集合組織制御の問題に適用し、この合金の材質改善法の新しい考え方を提供する。本研究で得られた成果は以下の通りである。
結晶すべり系上でのすべりによって生ずる結晶体各点の格子回転の運動学と幾何学を有限変形理論から解析し、格子回転場を記述する支配方程式を2階の直交テンソルRに関する発展方程式として導出した。このRに関する発展方程式を具体的に解くことによって結晶体各点での方位の回転を連続的に追跡することが可能となるが、そのための結晶塑性モデルとして新しく修正緩和Taylorモデルを考案し、このモデルに基づく結晶回転経路の予測手法を、制約付きの非線型最適化問題として定式化することに成功した。そして、このような非線型最適化問題のアルゴリズム用いた対話形式による変形集合組織予測プログラムを開発した。つぎに、bcc構造をもつ銅基形状記憶合金を対象とした場合に生ずるすべり系と変態バリアント則を変形集合組織予測プログラムに組入れ、変態集合組織を求めるための計算機プログラムを開発することを試みた。その結果、方位の分散などの細い部分は別として、基本的には実際のCu-14%A1-4%Niの熱延及び変態集合組織の実測X線極点図に近いそれが得られることが判った。今後、変態集合組織に関する精度の良い予測法を完成するためには、すべり変形過程を考慮した変態バリヤント則を検討する必要があることが示唆された。

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公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

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