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1993 年度 実績報告書

高純度銅合金の溶製と評価

研究課題

研究課題/領域番号 05650727
研究機関関西大学

研究代表者

大石 敏雄  関西大学, 工学部, 教授 (80026145)

キーワード銅合金 / Cu‐Cr合金 / Cu‐Zr合金 / Cu‐Ce合金 / 熱力学 / 溶解度
研究概要

銅と活性金属との合金を溶製する場合に、酸化物、炭化物といった介在物のない溶解条件を確立するため、まず熱力学的背景を検討し、酸化物に対してはグラファイトるつぼを用いて溶解し、さらに雰囲気中のCo分圧を低く保てば、その析出を防げることがわかった。したがってグラファイトるつぼを用い、活性金属の炭化物が析出する濃度までなら介在物のない合金を溶解することが可能である。
この知見より銅と活性金属であるCr,ZrあるいはCeとの合金をグラファイトるつぼ中で溶解し、添加元素のそれぞれの炭化物Cr_3C_2,Zrc,CeC_2との平衡下における溶銅中の添加元素の溶解度を求め以下の値を得た。
C‐Cr_3C_2平衡に対して log(mass%Cr)=-5470/T+2.91(1573〜1873K)
C‐ZrC平衡に対して log(mass%Zr)=-1.24×10^4/T+4.97(1623〜1823K)
CeC_2平衡に対して log(mass%Ce)=-1070/T+1.67(1623〜1773K)
実験温度領域で溶銅中へのCrの溶解度は0.1〜1mass%であるが、ZrはCとの親和力がきわめて強く、溶解度は100massppmZr前後ときわめて小さな値となっている。これに対してCeはCとの親和力がZrのそれより弱いことに加えてCuとの親和力がきわめて強いため10mass%Ceを超える値を示した。
Cu‐0.217Ce合金を673Kで3.6ks時効熱処理を施した試料のマイクロビッカース硬度は75kgf・mm^<-2>であった。また電気抵抗は90%IACS以上であった。さらに内部酸化処理を行った結果、Cu‐Cr合金とCu‐Zr合金は酸化物の析出により硬化が起り、マイクロビッカース硬度が上昇し、電気抵抗も低くなった。Cu‐Ce合金は内部酸化処理による硬度変化は起らなかった。

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公開日: 1995-03-23   更新日: 2016-04-21  

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