研究課題/領域番号 |
05650759
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
西山 誼行 東北大学, 反応化学研究所, 教授 (10006299)
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研究分担者 |
白井 誠之 東北大学, 反応化学研究所, 助手 (70250850)
荒井 正彦 東北大学, 反応化学研究所, 助教授 (60125490)
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キーワード | パラジウム / メンブレン / 脱硫反応 / 表面改質 / 触媒 |
研究概要 |
本年度は,1.パルジウムメンブレンを用いたチオフェン脱硫反応、2.モリブデン修飾パルジウムメンブレン触媒のチオフェン脱硫反応について検討した。 1.平成5年度に作製した流通系パラジウムメンブレン反応装置を用い、石油成分の一つであるチオフェンの脱硫反応を行った。パラジウム箔を透過した水素とチオフェンを反応させると透過系と、チオフェンに水素を共吸着させて反応させる混合系で脱硫特性の比較を行ったところ共に脱硫反応が進行し(反応温度300〜400℃)1-ブテン、cis-2-ブテン、trans-2-ブテン、n-ブタンの生成が確認された。反応活性は初期において透過系が混合系の3倍の活性を示すことを見いだした(反応温度350℃)。このことから水素透過法式による反応と混合方式による反応では水素の反応性が非常に異なっていることが分かった。 2.モリブデン修飾パラジウムメンブレン触媒上でのチオフェンの脱硫反応を調べた。真空蒸着法により種々の膜厚(5〜100Å)のモリブデンで修飾したパラジウム表面において、パラジウム側から水素を供給したモリブデン側へ水素が透過することを確認した。透過速度はモリブデンの膜厚が大きいほど減少した。10Åのモリブデンを修飾したパラジウムメンブレン触媒では、透過系、混合系共に無修飾パラジウム箔に比較して活性が増大することを見いだした。 3.今後の研究の展開 本研究において、パラジウム箔を透過した水素が、パラジウム表面に吸着した水素に比較して高い反応活性を示すことを見いだした。本研究の結果から、パラジウムをモリブデン以外の金属で修飾した表面改質メンブレン上へ水素原子を透過させることによりこれまでの不均一系触媒反応の共吸着系とは異なった反応活性が示されることが期待される。今後も今回作製したメンブレン反応器を用いて表面修飾メンブレン反応を研究する。
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