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1993 年度 実績報告書

分子ふるい性炭素膜の新製法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 05650764
研究機関京都大学

研究代表者

三浦 孝一  京都大学, 工学部, 教授 (40111942)

研究分担者 前 一廣  京都大学, 工学部, 助教授 (70192325)
キーワード分子ふるい炭素 / フェノール樹脂 / 共炭化 / 細孔径制御
研究概要

膜分離操作は蒸留や深冷分離などに比較してはるかに省エネルギー型の分離操作であるため、種々の分野で注目されているが、分子オーダーの分離に適用できる膜は未だ検討段階にある。これは、一つには無機膜の製造技術が確立していない点に由来する。すなわち、分子ふるい膜製造の最大のポイントは、サブオングストロームオーダーで均一な細孔を有する分子ふるい炭素の細孔径を自在に変化させる手法の確立する点にある。
ここでは、この手法としてまず、各種フェノール類から架橋の異なったフェノール樹脂、添加剤を加えたフェノール樹脂を合成し、これを一定昇温速度のもと600〜900℃まで炭化するといった非常に簡単かつ再現性のよい方法を提出した。この方法により、0.3〜0.4nmの範囲で非常にシャープな細孔径を有する分子ふるい炭素を製造することに成功した。この分子ふるい炭素の吸着等温線を測定した結果、CO2は吸着するが、CH4は全く吸着せず、CO2-CH4分離が十分行えることが明らかになった。
次に、フェノールとピロガロールを等分に混合して樹脂を製造、炭化することで、架橋形成を制御し、1nm付近の細孔を有する分子ふるい炭素を製造した。これから、細孔径の制御法の一つとして、架橋度の制御とその熱分解反応の制御で均一細孔径を自在に変化させ得ることが示された。また、フェノールにフェロセン(有機鉄化合物)を導入して、樹脂を製造し、これを900℃で炭化することで、0.5nmの均一細孔径を有する分子ふるい炭素の製造にも成功し、有機質、無機金属の分子レベルでの相互作用を発現させることで、より極め細かな細孔径制御が可能であることが示唆された。現在、これらの製造法に基づいて、セラミック担体ベースに分子ふるい膜の製造を検討中である。

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公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

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