研究概要 |
本研究の目的は、主に液濾過に使用されているメンブレンフィルタについてガスフィルタとしての性能評価を行い、内部構造と集塵性能により、その体系化を試みることである。 これまでメンブレンフィルターの構造を走査型電子顕微鏡(SEM)によって観察することにより、繊維状(Fiber‐like :random direction ,one direction)のものから網目状(Net‐like)、凝集粒状(Agglomerate‐like and porous)多孔板状(Pore‐like)構造のものまで5つのグループに分類整理してきたが、今年度は更に20種類のメンブレンフィルタの内部構造を調べ追加分類した。特に今年度はフィルタの断面写真も撮り、構造の解明に役立たせた。 性能評価の実験では、5年度の科学研究費補助金により赤外線加熱炉とコントローラを購入し、DMAの改良と併せて、テスト用粒子発生法を改良した。その結果各粒子(0.03〜0.2mum)とも粒子濃度を10^3個/cm^3から10^5〜10^6個/cm^3に上げることが出来、透過率の測定が広範囲に行えるようになった。 集塵性能推定法の体系化については、これまで繊維状フイルタについてFuchsらの極微細繊維層の捕集効率推定法を適用して透過率の推定を試み、実験値とほぼ一致することを見いだしている。今年度は凝集粒状、多孔板状など低空間率フィルタの捕集効率推定法について検討した。即ちこれらは細い管路の繋がりから構成されていると考え、従来より用いられている単一孔モデルの捕集効率推定法を基本に推定を行い、実験値とほぼ一致することを確かめた。
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