研究概要 |
平成5・6年度の研究目的・研究実施計画に従い、窒化物の調製法と窒化条件,触媒活性試験(水素化脱窒素反応・CO_2の水素化),表面分析(赤外分光法と重量法吸着実験)の検討から、CO_2の資源化反応、燃料油中の窒素分の除去反応に有効な触媒表面構造について研究し、以下の成果が得られた。 1.アルミナ担持12〜97%酸化モリブデンをNH_3気流中、高空間速度、遅い昇温速度で700℃付近まで昇温窒化(700℃で3時間保持)すると、酸化モリブデンは充分窒化された。 2.97.1wt%Mo/Al_2O_3では窒化温度の変化によりモリブデン種がMoO_3(窒化前)→MoO_2(500℃窒化)→Mo_2N(700℃窒化)→Mo金属(900℃窒化)のように変化し、水素化脱窒素活性は高い方から700℃,500℃、900℃窒化の順であったが、12.5wt%Mo/Al_2O_3では900℃、700℃、500℃窒化処理の順となった。従って、MoO_2上には脱窒素活性サイト、Mo金属上には水素化脱窒素反応に対しては脱窒素活性サイトだけでなく水素化活性サイトも多い触媒ほど高活性であった。 3.窒化タングステンによるCO_2の水素化活性を常圧で検討した。CO_2からCOへの反応のみが低転化率で起こった。他の窒化物(および炭化物)について現在検討中である。 4.重量吸着量測定装置を用い、12wt%Mo/Al_2O_3の表面積、外表面積、ミクロ孔容量、細孔分布を求め、表面特性を調べている。 5.NH_3-TPD-FTIR実験の結果から窒化処理温度の上昇に伴い、触媒表面上の酸性点は減少するがL酸点がB酸点より多く発現することが示された。
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