研究課題/領域番号 |
05650782
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
和田 雄二 大阪大学, 工学部, 助教授 (40182985)
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研究分担者 |
村越 敬 大阪大学, 工学部, 助手 (40241301)
柳田 祥三 大阪大学, 工学部, 教授 (10029126)
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キーワード | ペルフルオロパラフェニレン / 光触媒 / 光酸化 / ヒドロキシル化 / 水光分解 / 混晶 |
研究概要 |
1.ペルフルオロおよび部分フッ素化鎖状芳香族化合物のエネルギー準位の解析を詳細に行った。高速サイクリックボルタンメトリーによって分子の酸化還元電位を測定し、フッ素化の程度が高くなるにつれて酸化電位の正側へのシフトが起こることが確認された。この酸化電位と光酸化反応に対する光触媒活性との間に相関があることがわかった。 2.ペルフルオロパラフェニレンの光酸化触媒反応過程における素過程を明らかにするため、レーザーフラッシュホトリシスによる検討を行った。その結果、励起状態は速やかに項間交差し、3重項に転換することがわかった。この3重項が酸素により酸化的に消光され、カチオンラジカルに転化する機構が支持された。^<60>Coを線源とするγ線照射によりクロロブタンのカチオンラジカルを生成し、このカチオンラジカルの酸化力を用いた各種フッ素化パラフェニレンのカチオンラジカル生成を試み、それらの吸収スペクトルを測定した。フッ素化の程度が高くなる程、カチオンラジカルの吸収は短波長側にシフトすることが確認された。 3.ロジウムコロイドを担持したペルフルオロポリパラフェニレンを用いて水を水素に還元すると同時に酸化によるヒドロキシルラジカルの発生が可能であることが確認された。これは有機物として、水分子の光触媒的分解に初めて成功した例である。 4.オリゴパラフェニレンとフッ素化オリゴパラフェニレンは混晶を形成し、個々の化合物の結晶よりも安定化していることがわかった。これら混晶体の単結晶を調製し、X線回折により結晶構造を決定した。また、混晶では個々の化合物結晶とは異なる吸収および発光を示し、新規な光物性の発現が示唆された。
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