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1994 年度 実績報告書

フッ素系分子・分子集合体の光酸化触媒プロセスの開発

研究課題

研究課題/領域番号 05650782
研究機関大阪大学

研究代表者

和田 雄二  大阪大学, 工学部, 助教授 (40182985)

研究分担者 村越 敬  大阪大学, 工学部, 助手 (40241301)
柳田 祥三  大阪大学, 工学部, 教授 (10029126)
キーワードペルフルオロパラフェニレン / 光触媒 / 光酸化 / ヒドロキシル化 / 水光分解 / 混晶
研究概要

1.ペルフルオロおよび部分フッ素化鎖状芳香族化合物のエネルギー準位の解析を詳細に行った。高速サイクリックボルタンメトリーによって分子の酸化還元電位を測定し、フッ素化の程度が高くなるにつれて酸化電位の正側へのシフトが起こることが確認された。この酸化電位と光酸化反応に対する光触媒活性との間に相関があることがわかった。
2.ペルフルオロパラフェニレンの光酸化触媒反応過程における素過程を明らかにするため、レーザーフラッシュホトリシスによる検討を行った。その結果、励起状態は速やかに項間交差し、3重項に転換することがわかった。この3重項が酸素により酸化的に消光され、カチオンラジカルに転化する機構が支持された。^<60>Coを線源とするγ線照射によりクロロブタンのカチオンラジカルを生成し、このカチオンラジカルの酸化力を用いた各種フッ素化パラフェニレンのカチオンラジカル生成を試み、それらの吸収スペクトルを測定した。フッ素化の程度が高くなる程、カチオンラジカルの吸収は短波長側にシフトすることが確認された。
3.ロジウムコロイドを担持したペルフルオロポリパラフェニレンを用いて水を水素に還元すると同時に酸化によるヒドロキシルラジカルの発生が可能であることが確認された。これは有機物として、水分子の光触媒的分解に初めて成功した例である。
4.オリゴパラフェニレンとフッ素化オリゴパラフェニレンは混晶を形成し、個々の化合物の結晶よりも安定化していることがわかった。これら混晶体の単結晶を調製し、X線回折により結晶構造を決定した。また、混晶では個々の化合物結晶とは異なる吸収および発光を示し、新規な光物性の発現が示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Yuji Wada: "Photocatalysis of Perfluorinated p‐Phenylenesfor Hydroxylation of Benzene with Oxygen and Water" Abstracts of Tenth International Conference on Photochemical Conversion and Storage of Solar Energy July 24-29,Interlaken,. 255-256 (1994)

  • [文献書誌] 柳田 祥三: "有機高分子半導体の光触媒作用-パラフェニレン誘導体の光増感レドックス反応" 化学総説. 23. 86-95 (1994)

  • [文献書誌] Shozo Yanagida: "A Novel CO_2 Photoreduction System Consisting of Phenazine as a Photosensitizer and Cobalt Cyclam as a CO_2 Scavenger" Book of Abstracts,Second International Conference on Carbon Dioxide Removal Kyoto,24-27,October. 79 (1994)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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