研究課題/領域番号 |
05650800
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
高野 光男 大阪大学, 工学部, 教授 (20029036)
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研究分担者 |
小野 比佐好 大阪大学, 遺伝情報実験施設, 助手 (40224274)
金子 嘉信 大阪大学, 工学部, 助教授 (90161182)
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キーワード | Halomonas / osmoregulation / ectoine |
研究概要 |
Halomonas sp.由来のエクトイン生合成系の3つの酵素のうち第2ステップの2,4-DABA acetyl transferaseの精製を進めるとともに、精製の完了している第3ステップのectoine synthaseのN末端アミノ酸配列を決定した。その30アミノ酸残基の配列から調製した合成DNAをプライマーとして、Halomonas sp.KS-3株のゲノムDNAを鋳型としてPCR法によりN末端に対応する90塩基のDNA断片を得た。次にこれをプローブとして本菌のゲノムDNAについてサザンハイブリダイゼーションを行ない、制限酵素地図を作成した。これをもとにゲノムDNAのEcoRI/SalI断片4.2kbpを、pBR322をベクターとしてクローニングした。この4.2kbp断片について制限酵素地図からectoine synthaseをコードしていると予想される領域の塩基配列を決定した結果、411bpのORFの存在が明らかとなった。この塩基配列より推定されるN末端アミノ酸配列は精製酵素を用いて得た30アミノ酸残基配列と完全に一致し、また、アミノ酸組成も既に得ていた分析結果とよく一致していたので、本領域が137アミノ酸からなるectoine synthaseの構造遺伝子(ectC)であると結論した。エクトインはグリシンベタインと同様に大腸菌に対しても高塩濃度培地中では菌体内に取り込まれて耐塩性を上昇させる作用があるが、この4.2kbp断片挿入プラスミドの形質転換体でも食塩耐性が向上しており、エクトイン合成系遺伝子の導入による他種細胞への耐塩性付与の可能性が示された。 他方、高塩濃度下で蓄積される細胞内エクトインの膨圧形成への寄与度を推定するため、エクトインの浸透圧挙動を本研究費で購入した浸透圧計を用いて調べた。その結果、1Mエクトインは約1.3osM/kgに相当し、高濃度(>1M)溶液では束一性からはずれて浸透圧を上昇させることが判った。しかし、それを加味してもなお細胞内既知溶質だけでは外界の浸透圧上昇分を説明するには不十分であった。
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