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1993 年度 実績報告書

Ca_2Mn_3O_8およびその修飾酸化物の物性と電気化学的挙動

研究課題

研究課題/領域番号 05650821
研究機関山形大学

研究代表者

菅原 陸郎  山形大学, 工学部, 教授 (10007023)

研究分担者 立花 和宏  山形大学, 工学部, 助手 (50241724)
松木 健三  山形大学, 工学部, 教授 (70006998)
キーワードカルシウム-マンガン酸化物 / 修飾酸化物 / 還元反応 / アルカリ電池
研究概要

Ca_2Mn_3O_8のCa^<2+>の一部を3価金属イオンであるLa^<3+>およびLa^<3+>とイオン半径が同じであるSr^<2+>で置換した酸化物を合成した.Ca^<2+>イオンの20%まで,結晶の基本骨格に影響を与えないで置換することが可能であった.また,3価金属イオンで置換すると,置換量に応じ,結晶中でMn^<4+>はMn^<3+>へ還元され,電子の非極在化により酸化物の電子導電率が大きくなることが確かめられた.
合成した酸化物についてアルカリ水溶液中での還元反応を検討した.Ca_2Mn_3O_8の還元反応は,Mn^<4+>の約20%までしか進行しないが,La^<3+>で置換すると,定量的にMn^<4+>からMn^<3+>への還元反応が起こることを確かめた.La^<3+>とともにSr^<2+>で同時に置換したものは,Sr^<2+>の置換量が多くなると,Mn^<4+>の還元反応は約50%までしか進行しなかった.定量的な還元反応が起こるのは,酸化物の電子導電率の増加がひとつの理由と考えられる.また,還元反応は,結晶中の空孔を通してプロトンの拡散によって進むとすれば,金属イオンの配位環境に影響されることが予想される.
そこで,還元反応の過程をESR法で追跡した.還元反応の初期において,Mn^<2+>の生成が認められ,Mn^<3+>の不均化反応あるいはMn^<4+>からMn^<3+>を経由てMn^<2+>へ還元される過程が考えられるが,結論は得られなかった.今後,詳細な検討が期待される.
一方,この酸化物は,一定電位で還元反応が進み,しかも高電流密度でも高い容量が得られるので,アルカリ電池の新しい正極活物質として期待されることを明らかにした.

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公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

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