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1993 年度 実績報告書

シクロデキストリンによる一電子還元および電子移動反応の制御

研究課題

研究課題/領域番号 05650826
研究機関大阪大学

研究代表者

山本 幸男  大阪大学, 産業科学研究所, 講師 (10029902)

キーワードシクロデキストリン / 包接錯体 / 一電子還元反応 / 電子移動反応 / パルスラジオリシス
研究概要

シクロデキストリン(CD)は、水溶液においてその疎水性空洞内に有機化合物を取り込み、包接錯体を形成することが知られている。本研究では、芳香族電解質水溶液のパルスラジオリシスを行い、CDの添加効果より水和電子による一電水子還元反応および還元体の電子移動反応のCD包接錯体形成による制御を試みる。本年度は、1-ピレンスルホン酸、4-ビフェニルスルホン酸塩、およびそれらのカルボン酸について水和電子による芳香族部位の一電子還元反応の速度定数を測定し、α-,β-,およびγ-CDの添加効果を明らかにした。4-ビフェニルスルホン酸およびカルボン酸はβ-CDと包接錯体を形成し、その一電子還元反応の速度定数は、解離した電解質のそれより一桁減少した。この錯体形成による反応速度の変化を利用して、包接錯体の解離定数を決定した。CD包接錯体の解離定数は、主として、吸収および蛍光スペクトルの錯体形成による変化により求めらていれるが、これらのビフェニル誘導体についてはスペクトルの変化が小さく決定されていない。また、1-ピレンスルホン酸およびカルボン酸はγ-CDと包接錯体を形成し、その一電子還元反応に対する効果はビフェニル誘導体の場合と同じ程度となった。ビフェニルおよびピレン誘導体の混合溶液では、β-およびγ-CDの添加により選択的な一電子還元反応が可能となった。ビフェニル誘導体の還元体からのピレン誘導体への電子移動反応の速度定数もγ-CDの添加により一桁低下した。一方、最も小さい空洞を持つα-CDはビフェニルおよびピレン誘導体の双方について全く効果を示さなかった。以上の結果から、CDは種々の芳香属電解質の一電子還元反応や電子移動反応を効果的に制御する事が示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Y.Yamamoto,S.Shiraki,Y.Kawamura: "Effects of Cyclodextrin Complexation on One-electron Reduction and Electron Transfer of Aromatic Sulfonates" J.Chem.Soc.,Perkin Trans.2. 2241-2245 (1992)

  • [文献書誌] Y.Yamamoto,S.Shiraki,D.Gao: "Hydrophobic Acceleration of p-Styrenesulfonate Polymerization by γ-Cyclodextrin" J.Chem.Soc.,Perkin Trans.2. 1119-1122 (1993)

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公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

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