1.球状ほうけい酸塩粒子の合成:メチルシリケート(TMOS)、トリエチルボレート、共通溶媒及び酢酸ナトリウムあるいはクエン酸ナトリウム水溶液よりゾル溶液を調整した。W/O型エマルション内でゲル化を行わせ、球状粒子を得た。加水分解時の水の量は[H_2O]/[TMOS]=20が最適であり、未反応のアルコキシ基がほとんどない粒子を得ることができた。出発溶液の組成は、それぞれの加水分解速度が異なるため、及びそれぞれの溶液の水相あるいは油相への溶解度が異なるためNa_2O:B_2O_3:SiO_2の重量比に換算して5.8:26.2:68.0になるようにした。これにより、分相領域の組成の球状ほうけい酸塩粒子が合成できた。 2.多孔質化:1で得られた粒子を熱処理することにより、シリカリッチな相とナトリウム及びホウ素リッチな相とに分相させ、0.5MH_2SO_4に可溶なナトリウム及びホウ素リッチな相を溶出して多孔質化した。たとえば680℃で熱処理した場合100Aの細孔径を有する粒子が得られ、730℃では500Aであった。 3.共通溶媒の効果:ゲル化の段階でメタノールより大きな一次粒子を形成するジメチルホルムアミドを用いた場合、粒子全体にわたって分相が均一に進んでおり、多孔質化に適していた。 この手法により得られたガラス粒子は耐アルカリ性であり、シリカゲルではできなかったpH-領域でもHPLCの充填剤として利用でき、さらに高分子量の物質分離担体としての利用も期待できる。
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