研究課題/領域番号 |
05650843
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
無機工業化学
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
木島 剛 宮崎大学, 工学部, 教授 (90040451)
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研究分担者 |
町田 正人 宮崎大学, 工学部, 助教授 (70211563)
河野 恵宣 宮崎大学, 工学部, 教授 (10040974)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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キーワード | 層状セラミックス材料 / 層間アミド化 / 分子集団認識 / ホスホン酸ジルコニウム / Zirconium phosphonate |
研究概要 |
本研究では、層状無機結晶の層間に有機分子を導入し、無機・有機両成分の協同効果による高度の分子・イオン認識機能をもつ新規素材を開発することを目的とした基礎的研究を行い、以下の研究成果を得た。 1)リン酸ジルコニウム層間に予め導入したカルボキシル基にイオン交換によりアルキルアミンを結合させた後、これを加熱縮合してアミド結合に交換するという層間化合物材料の新しい合成法を開発し、併せてアミド化反応の開始温度が分子鎖長とメチレン基数の偶奇性に依存することを示した。 2)層間アミド化法の母体となるカルボキシエチルホスホン酸ジルコニウムは同時に、一連のアルキルモノアミンH(CH_2)_nNH_2(n=2-10)の中から特定の炭素数(n=7)をもつヘプチルアミン分子を識別し、これを選択的に取り込むという極めて高度の認識機能をもつことを見いだした。この炭素数選択性は、酵素やシクロデキストリンによる分子の個別認識と異なり、ゲスト分子を"集団"として認識することに起因しており、分子集団認識という新たな認識概念を提案した。 3)本計画では標記研究の第2段階としてホスト分子を無機層間表面にグラフトした、化学的に安定な共有結合型ホス化合物を開発することを目指して、層間アミド化法を利用したアミノ化シクロデキストリンの層間への固定化を検討したが目的物を得るには至らなかった。しかし、シクロデキストリンのビスエチレンジアミノエチルアミン置換体とαーリン酸ジルコニウムを組み合わせた非共有結合型ホスト化合物を合成し、同複合体が従来の系ではみられない特異な多孔質構造をもつことを見いだすとともに、芳香族酸をゲストとしてその分子包接特性を明らかにした。さらに、モンモリロナイトとカリックスアレーンオクトール誘導体を組み合せた多孔質複合体を合成した。
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