研究概要 |
芳香属性の三員環構造をもつ高歪み化合物であるシクロプロペニルカチオン類を用い、求核試薬の付加と環開裂反応により、種々の生成物への誘導を行った。即ち、トリス(アルキルチオ)シクロプロペニルカチオン類と求核試薬から生じるビニルカルベン中間体を利用して、以下の高効率新反応を確立することに成功した。 1.ビニルカルベン中間体を経る複素環化合物の新規合成法の開発 (a)オキサゾール類およびイソニトリルカルバニオン類からピリジン誘導体の合成 (b)ベンゾイミダゾールおよびベンゾオキサゾール類から縮合ヘテロ環系化合物の合成 2.酸素転位を利用するalpha,beta-不飽和カルボン酸類の合成 以上、1の(a)及び2についてはJ.Heterocycl.Chem.及び J.Chem.Soc.,Chem.Commun.にそれぞれ報告した。また、1-(b)については日本化学会で発表した。これについても学術雑誌に発表する予定である。
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