研究概要 |
モノマーの設計と重合反応の検討 [芳香族カップリング型高分子合成のモデル反応の検討] 芳香族カップリング反応を芳香族ポリケトン合成に展開するにあったてケトンカルボニル基を有する芳香族化合物(ハロゲン化ベンゾフェノン)のカップリング反応の挙動を調べた。ハロゲン化ベンゾフェノンの芳香族カップリング反応はこれまで報告がほとんどなかったが,今回のケトンカルボニル基の芳香族カップリング反応における影響の評価検討の結果,ケトンカルボニルが触媒の回転を阻害して反応を大きく抑制すること,また,それは触媒量を増やす(通常の20倍から50倍)ことで解決できることが分かった。その他の反応条件も決定することができた。[芳香族カップリング型高分子合成のモノマー合成と重合反応の検討] ハロゲン化ベンゾフェノン部位を2つ持つ新規なモノマーの開発とその重合方法の検討を試みた。芳香族カップリング反応のモノマーである新規物質の,5,5'-ビス(4-クロロベンゾイル)-2,2'-ジメトキシビフェニルはPPMAを用いる方法にり得られた。このモノマーを用い,モデル反応の最適条件を軸に,フィルム形成能を有する,新規な全芳香族ポリビフェニレンの合成ができた。側鎖官能基ブロックの構築 [共重合と側鎖官能基変換反応] 側鎖にアルコキシ基を有するポリケトンの合成とその物性の検討およびその脱保護反応の制御を検討した。共重合の手法により,高分子量で高耐熱性の芳香族ポリケトンが得られた。また,ルイス酸を用いて,保護基のエーテル結合を切断する方法を確立できた。最近の研究動向に関する調査 最近,特に,芳香族ポリケトンのミクロ構造と物性相関に関する研究の進展がめざましい。そこで,ここ3年の報告を主な範囲とし,芳香族ポリケトンの合成,構造解析,物性研究報告について調査解析し整理して発表した。
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