研究概要 |
1.固定化に用いる配位子1,4,8,11-tetraazacyclotetradecane-5,7-dione(dioxocyclam)およびcyclanを合成した。 2.橋かけ剤として、ethylene glycol,tetraethylene glycolまたはnonoethylene glycolのdimethacrylateを、希釈剤としてisobutrl acetateを用い、それぞれの橋かけ剤について、橋かけ度ならびに細孔構造を系統的に変化させた球状共重合体系を合成した。総計、約20種のキレート樹脂前駆体を得た。 3.上記1で得た配位子と上記2で得た前駆体とを反応させ、目的のキレート樹脂を合成した。 4.上記3で得た樹脂の配位子固定化量、比表面積などを測定した。希釈剤を用いず合成したいわゆるゲル型の基体に固定化した場合、配位子固定化量が著しく低くなることがわかった。また、nonoethylene glycol dimethacrylateを橋かけ剤とした樹脂では、配位子固定化により比表面積が増大する現象がみられた。すなわち、大環状配位子の固定化には基体の細孔構造が大きく影響することが明らかになり、吸着容量の大きな樹脂を得るためには、柔軟で親水性の高い橋かけ剤を用いた基体が適していることがわかった。 バッチ法およびカラム法による銅イオン吸着特性を評価したところ、吸着容量は単に配位子固定化量に依存するのではなく、樹脂の物理的構造にも影響されることがわかった。
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