研究概要 |
ピロメリット酸の1,4-ジアルキルエステルとビフェノールあるいはハイドロキノンの縮重合により合成される芳香族ポリエステルに関して、相転移挙動、液晶相構造を調べ以下の点を明らかにした。 (1)長鎖アルキル側鎖を有するこれら全芳香族ポリエステルは、芳香族主鎖が単分子層として凝集し、その層間にアルキル側鎖を含む特有の層状液晶を形成する。 (2)単分子層内で主鎖は伸び切り鎖として配向し、分子軸方位あるいは分子軸に平行方位にのみ位置の秩序を有する二つの層状液晶、または配向秩序のみを有する層状液晶の三種の層状液晶が現われる。 (3)主鎖の鎖状形態をX線、固体^<13>C-NMR法により調べ、層状液晶相の種類に依存して、ベンゼン環がツイストおよび共平面にある二つの鎖状形態を認めることができた。特に後者の鎖状形態は炭素数が14以上の長い側鎖を有する系で優先的に現われる。
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