研究課題/領域番号 |
05650933
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
杉山 善幸 名古屋大学, 工学部, 教授 (20023046)
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研究分担者 |
崔 長寿 名古屋大学, 工学部, 助手 (80242832)
二日市 宅 名古屋大学, 工学部, 助手 (10023110)
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キーワード | トランスバースジェット / 膜冷却流れ場 / 渦対構造 / 渦対の循環分布 / 渦対の生成機構 / 渦対の可視化 / 渦対による混合・拡散 |
研究概要 |
1.噴流中心線、渦流中心線及びこれらに沿う速度成分を用い、局所二次元の仮定なしに三次元的取扱いにより、トランスバースジェット(以下、噴流と呼ぶ)径路に沿って誘起される渦流の循環分布の計算法を与えた。速度比(=噴流々出速度/主流速度)<5では循環分布の実験値と良く一致し、目的を達した。しかし、速度比が5以上で増すにつれ、実験値からの偏りが増すので循環計算の基礎積分方程式導出途中で用いた簡単化の仮定を精密化する必要があると考えている。計算で得た循環分布を用いて任意噴流横断面における渦対の中心を結ぶ線分上の誘導速度を知ることによりその線分を横切って噴流中へ巻き込まれる主流々体の流量を求めた。そして、これを用いて任意の噴流横断面における噴流々体と主流々体の平均混合比を算出できることを示した。 2.そのさい噴流横断面積の評価が重要となる。そのため水蒸気又は石鹸泡(1〜1.2粍^φ)を噴流に混入し、レーザー又は水銀灯光シートで噴流横断面を可視化して得た噴流横断面写真から画像処理により噴流横断面積を決めた。結果は従来の噴流横断面積の経験式が過小評価を与えることを示した。本干渉流れ場に対する混入石鹸泡の追従・拡散特性、噴流中における混入水蒸気の拡散・蒸発特性を考慮して、写真撮影にさいし露光時間を決めるべきことを知った。このことは特に噴流孔から遠い噴流横断面の面積を決めるさい考慮されねばならない。 3.混入水蒸気による可視化写真から噴流と主流の干渉で渦対が生成される機構と発達過程を定性的に明らかにした:噴流は流出後、噴流中心線に沿い、噴流孔径の(1〜2)倍の間で主流方向噴流厚さを変えず、主流に対し垂直方向にだけ拡散する。その拡散域は噴流内部に比し低運動量のため主流方向へ押し流されると同時に、噴流のすぐ下流に回り込み、渦流を生じる。この渦流は連続的に生じ、噴流々体と共に移動するので、噴流に沿う一対の渦流を生じるのである。
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