新たに製作したADCコントローラを用いてSi検出器に入射したCf核分裂片(Cf-f. f. )のエネルギー信号(E_1)を一旦バッファメモリーの保存する。別に他方のCf-f. f. により256kbitの全メモリーのうち反転した番地を検出した高速メモリースキャナ(全メモリースキャン時間0.1秒)から検出時に送られてくる信号によりバッファーメモリーに保存されているE_1信号が多重波高分析器(MCA)に収納される。256kbitの全メモリーのスキャン終了時に終了信号が発信され、これによりバッファメモリーに保存されているE_1信号は消去される。このようにメモリー反転のあった場合にのみE_1をMCAに送り込む回路を製作したが、この回路と他回路の時間的整合性に困難が生じ、その解決に多くの時間と労力を費やした。ようやく最終的な回路を決定し、現在作成中である。 Cf線源は、f. f. 発生数で100Bqのものを新たに製作し、ICから1cmの位置に置き8ff/秒がICメモリー(モジュールのカバーを取外しチップ表面が露出するように加工してある)に入射するジェオメトリーに設定し測定を行った。 同時に発生する2個の核分裂片はそれぞれ正確に正反対の方向に飛ぶので、ICとSi検出器をCf線源を中央に挟んで反対の位置に同一立体角のマスクでカバーして設定すると、ICに入射したCf-ffとcomplementaryな他方のCf-ffは必ずSi検出器に入射する。したがってデータを蓄積するために要する時間は、はじめて予想したほどの長時間は必要ではなかった。 Si検出器とCf線源の距離を15cm程度に設定しffの飛行時間(約15ns)を線源近くに置いた薄膜プラスチックシンチレイタからのstart信号とSi検出器からのstop信号で時間波高変換回路(TAC)から得、更にSi検出器からのE信号を用いるとET^2がon-lineで計算できる。この価はSi検出器に入射したffの質量にM_1に比例する。この原理による質量弁別回路を現在製作中である。
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