研究課題/領域番号 |
05650940
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研究機関 | 宇宙科学研究所 |
研究代表者 |
矢島 信之 宇宙科学研究所, システム研究系・気球工学部門, 教授 (30200489)
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研究分担者 |
八田 博志 宇宙科学研究所, 宇宙推進研究系・高温材料工学部門, 助教授 (90095638)
中島 俊 宇宙科学研究所, システム研究系・保安工学部門, 助教授 (30013741)
田島 道夫 宇宙科学研究所, 衛星応用工学研究系・宇宙電子部門, 教授 (30216965)
栗林 一彦 宇宙科学研究所, 宇宙輸送研究系・高強度材料工学部門, 教授 (70092195)
雛田 元紀 宇宙科学研究所, システム研究系・保安工学部門, 教授 (10013674)
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キーワード | 惑星探査 / 金星気球 / 複合材料 / 圧力容器 |
研究概要 |
金星の高度20km付近の厳しい環境条件(300℃,20気圧)の中を浮遊する、直径1m程度の球形気球につき、まず軽量化のための基本構成法を検討した。チタン合金のみで製作した場合にたいし、チタンの薄板の表面を高強度繊維を巻いて補強した場合は、気球本体重量が30%から40%改善され、自由浮力として2.5kg程度であったものが5kgから6kg前後に増大するとの見通しが得られた。次に球形形状、繊維の巻き方について最適化を図り、繊維を立て方向に互いに2方向に傾斜させて巻き、その繊維方向の張力のみで内圧を支えるアイソテンソイド形状が最も適した方式であるとの結論を得た。 こうした検討結果に基づき、第一段階として、補強繊維のワインディング技術の開発を主目的に、直系20cmの小型モデルを試作した。従来の多層・肉厚の補強方式と異なり、繊維は薄いメッシュ状となるので、そうしたワインディングの均一性の確保、特に上下端に置かれる口金周辺の一様性をどのように実現するか等につき、従来の方式であるポーラー巻きと比較してアイソテンソイド法の有効性を確かめた。この試作により、薄型ワインディングに関する多くの有益な知見が得られ、アイソテンソイド法で耐圧性能の高い薄型球形容器が十分に成形可能であるとの結論が得られた。 高温エレクトロニクス、冷却システムについては、技術動向および諸方式の調査を進めた。
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