研究課題/領域番号 |
05650948
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研究機関 | 金沢工業大学 |
研究代表者 |
深沢 塔一 金沢工業大学, 工学部, 教授 (80143171)
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研究分担者 |
中村 一郎 金沢工業大学, 工学部, 教授 (70127679)
服部 陽一 金沢工業大学, 工学部, 教授 (40198768)
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キーワード | 船体構造設計 / 波浪変動圧 / 疲労強度 / 部分構造モデル / 不平衡力 / 境界条件 |
研究概要 |
本研究では、船体構造の疲労強度を念頭におき、船体構造設計に適用するための波浪荷重について検討を行う。さらに、この波浪荷重を用いて応力解析をする際の問題点について考察を行い、精度の良い船体構造設計のための荷重と構造解析手法について提案を行うものである。 平成5年度には、疲労強度検討用の波浪中圧力の変動成分分布形状を定義し、これを用いた有限要素法による船体構造解析を行い、不平衡力や拘束条件についての検討を行った。その結果、特に反対称分布を持つ荷重については、不平衡力や拘束条件が応力分布に大きな影響を及ぼすことが明らかになった。そこで、平成6年度は、非対称な変動水圧による応力解析精度に関して、構造モデル、不平衡力、境界条件などについて検討を行った。 まず、船体構造の部分構造モデルを定義し、この構造に作用させるべき不平衡力の検討を行った。これには船の両舷をモデル化した部分構造モデルを用いた。その結果、対称荷重については、不平衡力は甲板の応力分布に影響を及ぼすこと、上下方向の分布剪断力を横隔壁位置船側外板上に作用させるのが望ましいことが判明した。反対称荷重については、船底付近の構造に注目する場合には甲板上、甲板付近の構造に注目する場合には船底の、それぞれ横隔壁位置に水平方向の分布剪断力を作用させるのがよいが、横隔壁の応力分布には影響が現れることが判明した。 次に、船体の片舷のみをモデル化した部分構造モデルを用いる場合のセンターライン上の境界条件について検討を行った。この結果、対称荷重の場合には、センターライン上の断面で左右方向の変位と船長方向軸および鉛直軸まわりの回転を拘束するのがよく、一方、反対称荷重の場合には、センターライン上断面で鉛直方向の変位を拘束し、かつセンターライン上横隔壁位置で左右方向の変位を拘束するのがよいことが判明した。
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