海洋構造物の大多数は複数の直立柱から成り立っており、波浪と潮流の海洋環境下におかれる。今まで、波浪と潮流の干渉問題、複数柱体間の干渉問題は別々には扱われてきたが、両方取り入れた例はない。本研究では、この問題を潮流は微小流速と仮定して一度に考慮する。平成6年2月現在まで、研究実績は次の通りである。 1.波浪と潮流の干渉と複数円柱体間の干渉を同時に考慮する数字モデルを完成し、計算のプログラムを開発した。 2.波浪と潮流による、構造物に働く流体力を計算することができる。特に不規則波中係留浮体によって大変重要な長周期運動の波漂流減衰力を求めることもできる。 3.潮流速、波周期、波向、柱体数、配置等を変化させて、一次、二次の流体力を計算して、これらのパラーメータが流体力における影響を調べた。 4.定常攪乱流は二次の流体力(波漂流力とか波漂流減衰力とか)に大きな影響があることがわかった。 5.浮体に対して、反射された局部波の影響を考慮しなければならないことがわかった。
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