超音波による形状認識のデータを得るために、超音波距離計を使用して、以下に示す実験を行った。なお、使用した周波数は40kHzである。 1.どの程度小さな物体を認識できるかを調べるために、空中に一辺が1〜5cmの立方体を吊るし、1および2m離れた位置から距離を計測したが、一辺が2cmの立方体まで認識できた。 2.部屋の隅に直方体を置き、部屋の壁や直方体の形状をどの程度正確に測定できるかを調べた。その結果、対象表面と測定方向とが垂直に近ければ実用的な精度で距離が求められるが、測定方向と平行に近くなるに従い、距離が検出できなくなることがわかった。この問題を避けるためには、異なる位置から距離を測定し、測定された形状に垂直な位置からの距離を優先的に使用する必要があることがわかった。また、隙間を検出することは不可能であった。 超音波の反射特性の基礎データを得るために、ある物体を固定し、測定方向とその物体の表面の角度を1度ずつ35度まで変化させ、どのような波形が受信されるか測定した。この結果反射信号は垂直なときほど強く、ある角度を超すと信号としては捕らえられることができないことがわかった。これが2で測定できなくなった原因と思われる。
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