研究概要 |
本研究で得られた成果を要約すると以下のとおりである。 (1)ラドン濃度のトータルカウント数とラドンの壊変数DELTA^<222>Rnとの相関係数は高く、また、噴気が活発な所ほど相関性は高くなることがわかった。 (2)gamma線強度とDELTA^<222>Rnとの間には明瞭な相関性は見出せなかった。gamma線強度は岩盤が露出する所ほど高い傾向にあるので、地下構造よりもむしろ環境gamma線が測定値に影響していることがわかった。また、セミバリオグラムと傾向面解析法を適用して比較した結果、gamma線強度の差は小さく、gamma線強度を地下構造の解明に用いるのは好ましくない。 (3)表層部におけるラドン濃度分布を地下構造との関係から検討するために、拡散方程式に基づき、ラドンの3次元的な移動に関するシミュレーション法を確立した。これによって、断層の方向・傾斜,ガスの移動速度、拡散係数を与えると、地表面下のラドン濃度を予測することが可能になった。 (4)これまでに用いられてきたラドンの壊変数の算出式に基づくと、^<222>Rnの壊変数が0になる測点が多く現れた。本研究で提案した^<222>Rn、^<218>Po、^<220>Rnの原子数とラドンガスの年齢を算出する理論から予想される単位時間当たりの壊変数の時間的変化は測定結果と良く一致した。
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