研究概要 |
ラッカセイ栽培種7品種および野生種1種、ダイズ2品種、クロタラリア2種、ハブソウ、エビスグサの合計14種類の材料を供試して、Agrobacterium rhizogenes のA13菌株を接種し毛状根の誘導を試みた。ハブソウ、エビスグサを除く12種類の材料について、8日〜14日齢の無菌実生の本葉から不定根が誘導された。誘導された不定根を1/2濃度のMS寒天培地に移植したところ、分岐を繰り返しながら旺盛に生長するものとあまり生長しないものが得られ、前者についてオパインの分析を行ったところ、ほとんどの系統でミキモピンが検出された。 ラッカセイ5品種の毛状根について液体培養によって生長量を比較したところ差異がみられ、ジャワ13号が最も優り3週間で約20倍になった。また、ジャワ13号で誘導された4系統間でも差異がみられた。ラッカセイ毛状根には興味深い形態的特徴が観察された。すなわち、ラッカセイでは本来全く形成されない根毛が毛状根の表面に密生した。得られた毛状根に根粒菌を接種したところ、生じた根毛の表面に多くの根粒菌が付着することが確認され、今後この系がラッカセイにおける根粒菌の感染経路を研究する上に有用な材料となることが示唆された。 それぞれの毛状根を植物ホルモンを組合わせて添加した1/2濃度のMS寒天培地に移植したところ、クロタラリア2種(C.juncea,C.spectabilis)において移植後40日目に不定芽が形成された。他の植物ではカルスは形成されたものの、現在まで再分化個体は誘導されていない。クロタラリア2種については、不定芽を発根培地に移植後、幼植物体に生育したものを現在温室内で栽培中である。
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