根菜類を円筒形のロックウールを用いて養液栽培を行うと、円筒空間に貯蔵根を形成する。この方法を用いて根菜の養液栽培を確立するため、ゴボウを用いて検討した。 まず給液法を検討した。間断給液では地上部の生育は良好であったが、地上部に比べて根部の肥大が劣り、さらに岐根の発生が多かった。連続給液では岐根の発生が著しく減じた。根菜の水耕での給液法は連続給液に近い方法が望ましいと考えられた。 円筒形ロックウール内の夏期の高温下での温度経過を測定した。90cm高の円筒において、1/2高の円筒空間の温度は底面の温度に比べて、高温で経過したのは6〜10時の間であり、最大で+1℃であった。それ以外の時間は低温で経過し、その差の最大は-5℃に達した。 すなわち、円筒空間は昼は涼しく、夜は暖かくなり、他の部位に比べて温度較差が小であった。 貯蔵根の直接観察をファイバースコープを用いて試みた。ゴボウでは主根の肥大が他の根菜に比べてそれほど大きくない上に、細根が主根に絡んで主根の正確な計測が困難であった。主根の肥大が著しい他の根菜を用いて、引続き検討する予定である。
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