ブルーベリ-の切り花や鉢花栽培、特に年内促成栽培を行うための基礎資料を得る目的で、切り枝、鉢植え苗を用い、休眠打破のための冷蔵の開始期や期間並びに促成効果について検討を加えた。 1.促成切り花:‘Northland'の成木から50〜60cmの花芽の着生した枝を10月1日、15日、29日に採取し、いずれも4℃で6週間冷蔵した後、恒温度(21±1℃)に搬入し促成した。処理区は、冷蔵開始日(採取日)ごとに、切り枝の葉の有無と湿度の高低(高:70〜80%、低:35〜40%)を組み合わせて4区、合計12区を設けた。発芽までの期間は冷蔵開始期が遅くなるほど短縮された。発芽から開花までの期間は各区とも10日前後であった。また、各区とも12月下旬までに開花した。開花率は葉の有無にもかかわらず常に高湿度区が低湿度区より高い傾向があり、最高値が70.9%であった。切り花形質では、処理間に差がみられなかった。 2.促成鉢花:花芽の着生した2年生苗(鉢植え)の‘Northland'、‘Rancocas'、‘Jersey'、‘Darrow'の4品種を用いた。10月15日から‘Northland'、‘Rancocas'の2品種を4℃でそれぞれ4、5、6、7、8週間冷蔵した後、温室内(平均気温15℃前後)に搬入し促成栽培を行った。また、10月29日から前記4品種をそれぞれ4、5、6、7週間冷蔵した後、同様な方法で促成栽培を行った。供試4品種とも冷蔵期間が長くなるほど開花率は高くなり、品質も向上する傾向がみられたが、その程度は品種により著しく異なった。80%以上の開花率は、10月29日から冷蔵を開始した場合、‘Darrow'は5週間目、‘Northland'は6週間目から得られた。これに対し、‘Rancocas'、‘Jersey'では、7週間目で開花率80%に達した。なお、‘Rancocas'、‘Jersey'は、冷蔵4、5週間では促成栽培を行っても出葉が見られなかった。これらの結果から、供試4品種では‘Northland'、‘Darrow'の促成効果の高いことがうかがえた。
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