研究概要 |
高圧電場を利用した青果物の新しい鮮度保持技術わ開発することを目的として、種々の果実、野菜の貯蔵に対する有効性と水分蒸発促進効果について研究した。まず電場処理条件と電極および電圧や処理時間等から検討し、水の蒸発促進と遅延現象に検討を加えた。その結果、電流がほとんど流れない微弱エネルギーであるが、約5倍の蒸発促進効果が認められ、処理後に生ずる蒸発抑制は蒸発潜熱による影響であることを見出した。また,処理中の空気に含まれる炭酸ガスや酸素の影響はないものと考えられる.続いて高圧電場処理が果実,野菜の貯蔵を延長させる効果の有無について,種々の実験をした結果,クライマクテリックの前後に関係なく青果物の呼吸量を抑える作用が認められた.しかしながらエチレンの生成は今回使用した果実,野菜については有意差がなく,顕著な貯蔵期間の延長には至らなかった.一方、イチゴについては貯蔵期間の延長効果が認められ,かびの発生を抑え,長期貯蔵が可能であった.電場処理区と無処理区の化学成分の際について、購入したHPLCを使用して糖や有機酸を分析した結果は、特に有意差は認められなかった。さらに高圧電場処理の効果を種子の発芽及び幼芽に対する電圧や処理時間から検討した結果,発芽促進効果が認められるとともに,その効果は種子の大きさは依存していることも明らかになった.
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