研究課題/領域番号 |
05660044
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
植物保護
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
臼井 健二 筑波大学, 応用生物化学系, 教授 (80087585)
|
研究分担者 |
松本 宏 筑波大学, 応用生物化学系, 助教授 (10199888)
石塚 皓造 筑波大学, 応用生物化学系, 教授 (60101317)
|
研究期間 (年度) |
1993 – 1994
|
キーワード | 除草剤抵抗性 / ニンジン懸濁培養細胞 / スルホニルウレア系除草剤 / イミダゾリノン系除草剤 / アセトラクテート合成酵素(ALS) / 不感受性化 / Branched-chain amino acids |
研究概要 |
スルホニルウレア系除草剤は、極めて低濃度で植物分岐アミノ酸生合成の初段階の酵素アセトラクテート合成酵素(ALS)を阻害することにより、分岐アミノ酸・蛋白含量を減少させ、生育を抑制する。ベンスルフロンメチル(BSM)を含む培地で段階的選抜で得られたニンジンあるいはイネ懸濁培養細胞はそれぞれ10^<-7>Mあるいは10^<-5>MBSMに抵抗性であるが、BSM処理によるアミノ酸・蛋白含量の低下がわずかで、また、ALSの阻害が小さく、感受性低下が見られた。 BSM抵抗性ニンジン細胞の生育はスルホニルウレア系のピラゾスルフロンエチル(PE)やイミダゾリノン系のイマザキン(IQ)に対し交差抵抗性が示された。ALSの阻害様式は、感受性・抵抗性細胞とも、BSM、PEはピルビン酸と非拮抗(混合)型で、IQでは不拮抗型であった。ピルビン酸のミカエリス定数(Km)は抵抗性細胞で大きくなる傾向であった。両細胞のALS阻害度の差は、BSMで約100倍あったが、PE、IQでは数倍で交差抵抗性は小さかった。分岐アミノ酸によるフィードバック阻害は同程度に見られた。植物ALSは不安定であり電気泳動等を用いた分離精製ができなかったが、粗酵素のゲル濾過カラムクロマトグラフィにより2つの活性ピークが検出された。2番目のピークはBSM及びアミノ酸により阻害されたが、抵抗性細胞ではBSMによる阻害が小さかった。 分岐アミノ酸含量は抵抗性細胞の方が1.5〜数倍高く、ALSのフィードバック阻害に対する感受性の低下に由来し、一方、可溶性蛋白質の組成は、SDS-PAGEで調べると処理による変化がほとんどなく、分岐アミノ酸含量の変化とは関連していないように思われた。 以上によりBSM抵抗性はBSMや分岐アミノ酸に対する感受性低下やKmの変化で示されるALS酵素の変異が主要因と考えられる。
|